あなたの胸で泣かせて

-秀敏side-

智代はわかりやすい。
表情がころころ変わって、マイナス思考になるとすぐにうつむき何かを我慢するかのように唇をかみしめる。
まるで思ったことを飲み込んでいるようだ。


昨日はあんなに頬を赤らめていたのに今日はいつも以上に顔が白い。


俺が気づかないとでも思っているのだろうか?
クラスの友達に会ったときからなぜかおかしかった。
だから早足で家まで歩いたが、いつものごとく自分から話そうとはしない。

宿題もなかなか進まないようだ。


ちらっと見ると智代は眠っていた。

俺はそんな智代をそーっとベッドに寝かせた。
すると智代の目に涙のあとがあった。


心あたりのない俺はすぐにでも智代に聞きたかったが、顔色も悪かったし今はゆっくり寝かせよう。そう思い自分も横に寝転んだ。



すると智代は俺によってきて再び寝息をたてた。



一体何を抱え込んでいるのだろう。
なんだか寝顔も泣いているように感じた。



-秀敏side end-
< 32 / 49 >

この作品をシェア

pagetop