あなたの胸で泣かせて

私はハッとした。
いつの間にか寝ていたから。
秀敏がベッドまで運んでくれたのだろうか
すぐ横では秀敏が眠っている。
いつの間にか腕枕してくれていた。

時計を見るとすでに6時を回っていた。
秀敏を起こさないようにそーっとベッドを出た。





********

としくんへ

寝てしまってごめんなさい。
このあと用事があるので帰ります。
あと、やっぱり私にとしくんの彼女はつとまらないようです。
短い間だったけど、この先きっと感じることができないだろう幸せを感じました。
別れましょう。さようなら

智代

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手紙を残し、家族の方も帰ってきてなかったようなので、お邪魔しました。と一言言って秀敏の家をあとにした。


家に帰ってから、しばらくぼーっとした。
母親から、夜ごはんは?と聞かれ、今日はいらないと自分の部屋に閉じこもっている。


自分から別れを言ったのになぜこんなに悲しいのだろう。
時間が解決してくれるよね。
そう自分に言い聞かせたのだった。


今日は寝てばっかりだなと思いながらも寝る準備をしていると、秀敏から着信があった。


気づかないふりをしようかと思ったけど、新学期になって顔も合わせるだろうから電話はしといた方が良いのかな、と電話に出た。

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