あなたの胸で泣かせて
部屋に入ってから離された腕を見ると少し赤くなっていた。
部屋は昨日のままで秀敏の宿題もそのまま出されていた。
しかし書いた手紙はぐしゃぐしゃになって置かれていた。
昨日と同じ場所に座った私に昨日買ったお茶を渡してくれた。
そういえば昨日の飲み物も残ったままだったんだ。。
「智代、話しをちゃんとするまで今日は帰さないから」
秀敏は冷たく言い放った。
「・・・・・・」
隣に座った秀敏はふぅと息を吐き昨日のくしゃくしゃの手紙を私の前に差し出した。
「これ、どういうこと?」
「そのまんまだよ、私としくんと不釣り合いだしこんな私といてとしくん恥ずかしいだろうし、私なんかが彼女だととしくんのプラスになんないし、むしろマイナスになっちゃうし、はははは・・・・」
「手紙でこんなんって失礼だよね、ごめんね。でもとしくんにはすごく感謝してる。私に彼氏だなんてできると思ってなかったから。短い期間だったけど、ちょっとお姫様になった気分だし心がすごくポカポカしてたよ。これからまた学校で顔合わせると思うけど、今まで通りにしてくれるかな?
あっ、もちろん嫌なら嫌で良いんだけどさ。」
早口で言ってしまった智代は少し呼吸が荒くなった。
「わかった。」
秀敏がそう言ったので、
「それじゃあ」と智代は立ち上がろうとしたがそれは叶わなかった。
再び秀敏に手を掴まれたから。
「なぁ智代、智代ってなんでそんなに自分を否定してる訳?
私なんか、とか、私なんて、とかよく言うよな。
不釣り合いだなんて誰かに言われたのか?
」
「だって、、、」小声で言った智代だったがそれを秀敏は聞き逃さなかった。
「だって何??」
「・・・・・・・」
「本当はそこが一番の闇なんじゃないの?ちゃんと言え。」
「・・・・・・・」
「昨日クラスのやつと会ったときからおかしかったよな?そいつが関係してるのか?」