神様の敷いたレール
つまんない授業を携帯いじったり居眠りで6限まで消化した後、当番であった教室掃除を班で済ませ、下駄箱のある南校舎正面入口へ向かっていた。
 
桜花高校は少し変わっていて四角い中庭を囲むように北校舎、東校舎、西校舎、南校舎の4つの校舎がある。中庭には白くおしゃれな机1つと椅子4脚を1組として20組ある。他校誰もが憧れのスポットである。

こうした憧れのスポットが桜花高校にはいくつもある。
水月は、自クラス、1年C組がある4階の西校舎から正面入り口のある南校舎1階へ向かうべく西校舎の階段へ向かっていた。

桜花高校は学年が上がるにつれて教室の階が下がっていく。つまり2年、3年になるにつれて階段を上る距離が短くなっていく老化に優しいシステムなのだ。
この階段憧れのスポットらしいのだがとても厄介である。1階から4階までの階段はすべて螺旋階段になっていて降りていると目が回るし距離が長くて疲れる。
傍から見ていたら見ていたらオシャレに見えるだろうが利用しているこちらからすれば無駄にオシャレな迷惑である。
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