神様の敷いたレール
6月までに入部届を出さない者は先生の独断と偏見により、その人に合った部活に入れられるらしい。別にそれでもよかった。なぜなら入部だけして部活には行かず、幽霊部員になるつもりだからだ。幽霊部員になるための部活を真剣に探す必要はない。

「萌々はもう部活、決めたのか?」

「私も・・・まだ・・・」

「人のこと言えないじゃん」
 
「うぅ~」
 
不満げに頬を膨らませる萌々。
 
階段を降り終わり、西校舎から南校舎への行く途中の渡り廊下で青山一騎と難波みな実が何か話していた。話していたというのは語弊があるので訂正しよう。青山一騎が難波みな実に一方的に話しかけていた。

軽いパーマに少し長めの髪。いつもは人懐っこい笑顔を浮かべ、全体的に気怠げだが話しかけやすそうな印象を持つ細く、長身優男の青山。
 
艶のある膝裏まであるロングヘアーでストレートの黒髪は一本の乱れもなく、綺麗に整っている難波。

切れ長で大きな瞳はとても高校生とは思えないほどどこか大人びて見えて、どこかミステリアスな雰囲気を連想させる。
 
高校一年生とはとても見えない大人びた印象と全体的に超然とした雰囲気が相まって、少々近寄りがたく、取っ付きにくい、と思われることが多そうな風貌である。実際取っ付きにくい性格で入学当初は青山くらいしか話しているのを見たことなかった。人見知りと言うわけでもなく、人に興味を示していなかったのだ。青山と話しているのもキャッチボールのない青山の一方的なお話だった。 

「ふたりでこっそりなにしてるのかなー?」
 
小バカにした言い方で茶化す萌々。
 
「モモ、そんなことを聞くのは野暮ってもんだぞ。ふたりきりで学校ですることと言ったら一つしかないだろ」

「あっ!そっかー。お邪魔してごめんなさぁーい」
にやけながらふたりを見る水月と萌々。

「そうだぞ、お前ら!せっかく難波といい感じだっ・・・」

「あなたたちの考えているようなことは絶対にないわ、絶対に!」
噛みつかんばかりに難波が吠える。

「そんな冷たく言わなくても・・・しかもなんで2回も・・・」

がくーんと肩を落とした青山にドンマイと声を掛ける水月。話の内容はともかくとして青山の哀れさ加減は存分に伝わった。来世は立派な人間に生まれるとイイネ!

「んで、深刻な顔で話してたけど何かあったの?」

「それがさー、聞いてくれよ水月―」

チュウ顔で抱き着こうとしてくる青山を左手で頭を掴み、近づけさせない水月。

「いや、そういうのいらないから。BL好き以外誰もそういうの求めてないから」

「それは聞き捨てならないわね、その言い方だとBL好きが悪いいみたいな言い方に聞こえるのだけれど」

意外に噛みついてきた難波さん。難波さん好きなの?ミステリアスな感じで近寄りがたい設定で説明してたのにそんな初っ端からぶっ飛んだキャラ入れられたら読者ついてこれないよ。

ロンドンブーツ1号2号のモモ神ATHUSHI☆彡とボルトの100M走くらいの差ついちゃうよ。
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