神様の敷いたレール
「あなたたちふたりゴミだと思っていたのだけれど訂正するわ。ゴミに失礼だもの」

「難波さん、それは俺たちゴミ以下ってことですか」

「ゴミの足元にも及ばないわ」

「だそうだ、ドンマイ青山」

「いやいや水月も言われてるんだぞ」

「俺は冗談で言ったからセーフ、青山は本心だからアウトだ」

「冗談でもそんなこと思いつく時点で最低だわ。あなたたちと同じ空気を吸うだけで汚れるから息を止めて頂けるかしら。永遠に。」


「それは死ねってことですか、難波さん」

「そうよ、そう聞こえなかった?水月」

さすがジャックナイフ難波さん、今日も切れ味がよろしいようで。

とにもかくにもこのままではらちが明かない。たぶんこのままこいつらにまかせても永遠に終わらないだろう。そろそろ本気を出そう。『どうせやらなければいけないのなら手短に』がモットーの俺としては早く終わらせてしまいたい。

「救済部というのはどうだろう」

「きゅうさいぶ?何する部活なの?」」

水月の提案に人差し指を顎に当て首を傾げるモモ。

「主に問題の抱えている困った生徒を手助けする部活だ。ただし、依頼内容に見合った対価を貰う」

「対価とは具体的に何を指すのかしら」

「依頼内容によるな。私欲のために対価を貰うのではなく、依頼内容に対し俺たちだけで解決しえない問題を対価を使って解決していく。まあ、こればっかりはそのときの状況で説明した方がわかりやすいだろ」

「おーそれいいよ、人の役に立てるしおもしろそう。一石二鳥の部活だね」

「いいんじゃないかしら。あなたにしてはまともな案が出たわね」 

俺の案にご納得頂いたご様子のモモと難波。

「じゃあ、救済部で決まりってことで」

ほたるも意義はないらしい。
 
「難波が賛成なら俺も賛成」
 
青山はどうでもいいとしてかくもこうして救済部が設立された。入部の申請は紙に部活名と部員を書き、校長先生に判子を貰うだけという至って簡単なものだった。
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