神様の敷いたレール
さすが自由が校風の桜花高校軽い感じがイイネ!軽すぎて大丈夫かと思わなくもないが楽に越したことはないのでよしとしよう。
 
救済部の部室は北校舎の4階の部屋を使わせてもらえるようになった。せっかくだから見に行こうとほたるが言いだし、北校舎4階にある部室に向かう。
 
部室の大きさはクラスと同じくらいの大きさで手前に応接室に有りそうな向かい合わせに設置された3人掛けのソファーが2つにソファーの間に長テーブルがひとつ。8人は使えるだろう長テーブルが置いてあり、椅子が8つ置いてある。部屋の左奥の隅に扉があり、開けると大きめの給湯室があった。
 
「うわー、大きいー」
 
目をキラキラ輝かせ、興奮するほたる。
 
「よくこんな部室貸してくれたよね」
 
「この部室、給湯室があるから依頼の話を聞くとき依頼人にお茶を出せそうね」
 
「たしかに、いかにも救済部って感じだね」
 
ほたるに続き、モモ、難波もご満悦のようだ。
 
「水月、ここにテレビ置いてゲームしようぜ」
 
右奥隅のコンセントを指さしながら興奮して話す青山。
 
「悪くない、アイディアだ。ブルーレイディスクレコーダーもほしいとこだな」
 
「おっ、いいね。部屋暗くしてみんなでホラー見るのおもしろそう。そんで怖がって抱き着いてく難波を・・・」
 
「私、ホラー映画なんかじゃ怖がらないわよ。例え怖がったとしてもあなたに抱きつような一生の恥をかくことは決してしないわ」
 
難波が喰い気味に話す。
 
「一生の恥ってそこまで言わなくても・・・」
 
またまた肩をがくーんと落としながら話す青山。彼は何回肩がくーんをすれば気が済むのだろうか。もはやネタにしか思えない。いや、むしろネタなのか?これがいわゆる天丼ってやつなのか?それにしてはおもしろくないな。
 
「まあ、青山の策はともかくとして、ここでみんなで映画を見るってのはおもしろそうだな」
 
「そうね、くまのくーさんを見ましょう」
 
「なんでくまのくーさん限定なんだよ」
 
「いい?くまのくーさんはね、1926年に発表された児童小説をもとに作られたアニメで擬人化されたぬいぐるみの『クー』と、森の仲間たちの日常を」
 
「もういい、十分にわかったよ」
 
難波さんにくーさんの話題を振ってはいけないってことが。
 
「わかったってまだくーさんの説明の1ミリもできていないのだけれど」

「ほら、時間も遅いしさ、明日じっくり聞かせてくれよ」
 
時計を見たらもうすぐ19時だ。
 
「そうね、明日わかりやすいように資料まとめておくわ」
 
「お、おう。楽しみにしてる」

明日は絶対学校サボろう。

そう水月は胸に固く誓った。

部室のお披露目も済んだところで解散し、帰宅することとなった。
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