神様の敷いたレール
おう、頑張れ。」
皆勤を失くしてしまった申し訳なさとモモの単純さに感謝し、いつもの営業スマイルの２倍盛で応援した。
「さてとっ身体も戻ったことだし帰るか」
立ち上がり両手を天井に突きあげながら大きく背伸びをする。
「えっもう帰っちゃうの？せっかくなんだしゆっくりしていけばいいのに」
ベッドに座っているは顔を見上げ上目使いをしながら話してくる。
「こうみえて俺意外と忙しいからさ」
「この後用事でもあるの？」
「ある。スケジュールパンパンで大変」
「へーちなみに今日のスケジュールはどうなっているのかな。」
適当に取り繕った言葉を見透かすように薄目でこちらを見て来る。
「今日の予定ではまず家に帰ってアニメのラフライフを見て、終わったらラノベの読書、その次は昼寝をして起きたらゲオで借りたＤＶＤ鑑賞。」
「どっからどう見ても暇人にしか思えないんですけど」
「まあ、人の価値観は人それぞれですから」
「水月って昔から遊ばないよね」
「俺の昔の何がわかんだよ。だいたい絡むようになったの高校からだろ」
「うん、そうだね・・・・・・何もわからないよ。ほんと・・・・・・」
　何気なく放った一言がモモの顔を曇らせる。
　悔しいのか悲しいのか怒りなのかはたまた何か違う別の感情なのか。それは俺にはわからないが顔を下に俯き、膝の上に手を置いてパジャマを強く握りしめるモモの姿は寂しそうに思えた。
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表紙・目次

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