神様の敷いたレール
ちなみに頸動脈は約3,5グラムだ。
 
理論的にも実体験的にも苦しまずに死ぬことができると確信した僕はセットしたジャンプとマガジンの束の上に両手を置き体重を両手で支えながら両膝を伸ばす。
 
後は両手を放すだけで全体重が縄に絞められた首の部分に掛かり終わりだ。
予定では一瞬で手を放し一気に全体重を掛けるつもりだったのにさっきまで平気だったのにいざとなると怖くなってしまう。

ラフライフを見て楽しみながら死のうとせっかく準備したがラフライフどころではない。

これは死への恐怖か一気に体重を掛けた反動で縄の位置がずれ苦しむかもしれない恐怖か、または違う恐怖なのか。

人間が生存するために備えられた防衛本能なのかもしれない。
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