SECRET×SECRET
『悠、起きな。』

「…着いた?」

『あぁ。少しは寝れたみてーだし、身体返すわ。』

「うん。」

シンは校門で俺と身体を交代した。

もう遅刻だし、俺以外の生徒はいないから俺達の秘密がバレることはない。

「シン、さんきゅ。」

『おう。結局遅刻だけどな。』

ガラッ

俺は教室のドアを開けた。

「悠おはー。遅刻なんてめずらしー。」

こいつは俺の友達、進藤翼。明るくてめちゃくちゃ良いやつなんだ。

「翼おはー。ちと寝坊したわ。」

「へー。まだ先生きてねーよ。よかったな。」

「よかった…。また呼び出しかと思った…。」

「ははっ。昨日呼び出されたばっかだもんな!」

「うるせ。てかあちー!!」

「なあ悠。早く冬になんねーかな。」

「俺に聞かれても…。でも冬になると早く夏になんねーかなって思うんだよな。」

「そーそー。俺、いまだけ北海道住みてー。悠もそう思わね?」

「確かに!冬は寒いからいまだけ!」

「…でもたくさん積もった雪はみてーかも。」

「だな。白い絨毯みたいだし、ねっころがれたら幸せかも。」

「いーな、それ。卒業したら北海道行く?俺と悠、二人でさ。」

「男二人?彼女連れてくとかはないの?」

「だって、俺だけ連れてったらお前一人じゃん。」

「…二人でいく。」

『何が悲しくて北海道に男二人で行くんだよお前ら。』

「うるさいなー。」

「えっ?!俺なんか言った?」

「いやいや!!全然!全く!何にも言ってないよ!」

「いきなりうるさいとか言うから焦ったじゃん。悠のばーか。」

シンのばかー!
危なく変な奴に思われるとこだったじゃん!

『いつも変な奴じゃん。』

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