SECRET×SECRET
あれは忘れもしない、10歳の誕生日。

俺は誕生日ってことでかなり浮かれていた。

今考えればかなりお子ちゃまだけど。

でもその時の俺は本当に誕生日が嬉しくて、学校から走って家に帰っていた。

学校から家に着くまで、信号は4つ。

どれも青信号で今日の俺はすっげー冴えてる!とか思いながら走っていた。

そして最後の信号。

青信号が点滅していた。

けれど俺はそんなの関係なしにただただ走った。

でもその瞬間…

赤い車が俺へと突っ込んできた。

それはホント一瞬のことで、俺はあぁ、車に引かれたんだ…

これしか考えられなかった。

俺の意識は完全にどこかに吹っ飛んで、痛みもなにも感じられなかった。
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