SECRET×SECRET
−放課後−

…職員室いかねーと。
でもこのまま帰っちゃおうかな?

「桜井くんっ!職員室行こっ!」

「よし、かえろ…」

言葉は違うけど、またハモった。

「帰るの?桜井くん…」

「あっ、いや…。行きます。」

「まさか寝坊するとは思わなかったなぁ…。目覚まし壊れてた。」

「俺は寝過ぎた。今日の目覚ましは母さんの怒鳴り声だな!」

「確かにお母さんの怒鳴り声は目覚ましにちょうどいいかも!」

桃瀬は笑いながら、お説教やだねって言ってきた。

でも、説教が嫌だっていうより俺は奈々と話せたことが何より嬉しかったんだ。

『奈々…。』


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