SECRET×SECRET
「さっさと終わらせて帰ろうぜ?」

「う…うん。」

なんか様子が変な気が…

まー気のせいかな?

俺達は階段を上がり、2年1組の教室へ入った。

もう放課後だから、誰もいなかった。

一気に40冊は無理だなぁ…。

「何回かに分けなきゃダメだな。」

「そうだね。図書室1階だからちょっと疲れるね。」

「階段がなー…。」

俺は辞典を10冊持った。

「桃瀬は5冊でいーよ。」

「なんで?10冊くらい持てるよ?」

「結構重いよ?力仕事は男に任せろよ。」

「…でも。」

「いーから。ほら、さっさと持って!」

「あ、うん。…ありがと。」

「いーえ。」

俺達は何回か教室と図書室を往復して、全部運び終えた。

「桜井くん、あたしと同じ東豊線でしょ?途中まで一緒に帰らない?」

「お…おう。」

なにこの幸せのフルコース…
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