SECRET×SECRET
気がつけば、俺は病院のベッドで寝ていた。

何となく身体を起こしてみたけど、痛みが全くない。

「あれ…?なんで?車にはねられたのに…」

『そりゃそーだろ。変わりに俺が引かれたんだし。』

「えっ?誰だよ…今の。」

『俺だよ、俺。』

「オレオレ詐欺?!」

『ばかやろ。俺はシンっていって、簡単に言えばもう一人のお前だ。』

「なっ…。もう一人の俺?!」

『そ。ホントは俺の存在をお前に知らせるのはもっと後だったんだけどなぁ。』

「意味わかんねー…。」

『ま、お前に死なれちゃ困るってわけで俺が出て来たんだ。お前には生きてもらわなきゃな。』

「なんだよそれっ!これってやっぱ夢?」

『ごちゃごちゃうるせーな。現実だよ、げ・ん・じ・つ!だって俺ら会話してんじゃん。』

「確かに…。なんか心の奥から声聞こえるし…」

『まぁそーゆーわけで、今日からよろしく!実際、ずっと前からいるけどな。』

「よろしくじゃねーよ!俺これからどうやって生きてこーかな…」
< 4 / 60 >

この作品をシェア

pagetop