SECRET×SECRET
『そ。俺が間違えた人の名前。あまりにそっくりだったからつい…。』

奈々さんかぁ。
じゃあ本物も可愛い感じなんだね。

『そりゃもーめちゃくちゃ可愛いぜ?笑った時とか特に。』

なんで…

そんなに詳しいの?

俺、奈々さんに会ったことも話したこともないんだけど…

『…。調子乗っちまった…。』

もっかい聞いていい?

『何を?』

シンは本当に俺のもう一つの人格なのか。

『…もっかい聞くってことは、俺達は違う人間だって疑ってるんだよな?』

そう…だよ。
結構疑ってる…。
ごめん。

『なんで謝る?謝るのは俺のほうだ。』

じゃあ…
やっぱり?

『ああ。俺とお前は違う人間。本当は他人だった。けど…』

けど?

『いろいろあって俺は、まだ小さかったお前を利用した。』

利用…?

『…どうしても、言いたかったんだ…。奈々に誕生日おめでとうって。それから、幸せにできなくてごめんって。』

幸せにできなくて?

『俺は奈々に、絶対幸せにするって約束したのに…。』

「あ…。」

シンは泣いていた。

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