酷愛
わたしは 隣に座っていた
お母さんと 一緒に立ち上がり、
お香を焚きにいく。
そのとき 彩絵姉ちゃんのお母さんに
挨拶をしようとすると
肩を震わしながら 小さく泣いていた–
わたしのお母さんと彩絵姉ちゃんのお母さんは
わたしと彩絵姉ちゃんのように
よくご飯に行く仲だったみたいで、
わたしのお母さんの顔を見るなり
今まで我慢していたものが噴き出したのか
声を出して ワンワンと泣き叫んだ ––
メニュー