優しい嘘はいらない
そうなると、もう彼の思うまま翻弄されていく。
頭部を押さえられ、逃げる道を阻まれて私の口内の熱を奪うのではないかという勢いで彼の舌が私の舌を何度も絡め深く進入して口内のあらゆる場所を舐めれ、意識が薄れていく感じが気持ちよくてされるがままになる。
「気持ちいいか?」
コクンと頷くと同時に唇へのキスが止み、首筋に落ちてきた彼の唇が器用にブラウスのボタンを外していく。
そして、タイツとショーツがアッというまに脱がされ足元がスースーとして肌寒くて、温もりを求めて彼にしがみついていた。
ブラジャーをたくし上げた彼は胸に顔を埋め、あちこちに唇で触れてきて、時たまざらっとした舌が胸の先端を意地悪くかすめ私を甘く可愛がる。
待ちきれない疼きに我慢できなくて、彼のズボンに手をかけていた。
彼の喉元から出る笑い声
「そんなふうに誘われたら手加減してやれないけど、覚悟できてるか?」
そう言いながら、一気に私の中に入ってきた彼は恍惚とした表情をしている。
その表情は色っぽくて、私の欲情を煽るのに十分だった。
「杏奈の中温かいな‥」
そして、下から突き上げる彼は体も熱くなったようで毛布を剥ぎ取るとキスをしながら私を白く霞む世界に堕としていく。