優しい嘘はいらない
顎が仰け反ると、彼の手はうなじに触れそのままドレスの上から体のラインをゆっくりとなぞり出していく。
そして、背中のファスナーも下ろされドレスがフワッと落ちていくとビスチェとガーターベルトをつけた姿が露わになってしまった。
隠せもしないのに恥ずかしくて両手で覆う体を包み込んでくる腕が、私の手を外していく。
「今さらだろ…」
背後でクスッと笑う声に、上半身を捻り
「恥ずかしいものは恥ずかしいの…んっ…ぁ…」
塞がれた唇を彼の唇が何度も啄ばみ、絡めてくる舌に翻弄されてる間に脱がされたビスチェは床に落ち、彼の手が肌をなぞっていた。
「これからもっと、恥ずかしい事するのに…」
そして、開いた背中に唇を這わせ、私の感じる部分を知り尽くした彼は耳を甘噛みし掠れた声で囁く。
「その前に、俺もお前もいろんな匂いがつきすぎだ。体を流してからのお楽しみにするか⁈」
「えっ…」
フット離れた彼は、私を放置して外の露天風呂につながる引き戸を開けた。
疼き出した体をそのまま放置されア然としている私に振り向き意地悪く笑う彼は確信犯。
「俺を放置して二次会にまで出た罰だ」
ケンカしなければ二次会はキャンセルしていたのにと唇を尖らせてしまう。