優しい嘘はいらない
だけど、体に力が入らないからベッドから落ちてしまった。
『もう‥こんなになるまでするなんて信じられない』
私の独り言に苦笑した恭平は、ひょいと私を横抱きし、浴室を通り越して外の露天風呂に向かっていく。
ブスッとしたって彼には効果ないようで‥
「ほら、ゆっくり浸かってろ」
私だけを露天風呂の中に入れて、彼は浴室でシャワーを浴び1人だけ浴衣に着替えて戻ってきた。
手には、大きなバスタオル
そろそろ逆上せてきそうだったからナイスなタイミングだった。
バスタオルを広げ、私が上がってくるのを待ちわびている彼を睨んでやる。
「たてないんですけど‥」
「そうだったな…」
誰のせいよ‥
私の体を抱き上げタオルに包むと、また先ほどのように横抱きをしてベッドに戻ってきてしまった。
そして、私をベッドに置いて彼は鞄の中から可愛くラッピングされた袋をくれる。
「志乃ちゃんからのクリスマスプレゼント」
うわッ、志乃にクリスマスプレゼントを用意していないと反省しつつ、開いて出してみると真っ赤なフリルのついた上下お揃いの下着が1組入っていて、彼は、中身がなんなのか知っていたようだ。
「それを着てラブラブしてねって伝言付きだけど…する?」