優しい嘘はいらない
男達の本音
昨日の俺は、いつもの俺らしくなかった。
会える日を楽しみにして約束の場所に来てみれば、頬を染め楽しそうに男と話している姿を見てショックを受けた。
所詮、そこいらの女達と変わらなかったのかとがっかりする一方で、男から見てもいい男だと思う色気漂う男達に、俺は彼女を取られてたまるかと感情の赴くまま行動を起こしてしまっていた。
なぜ?
そんなこと自分でもわからない。
2人で男達の背後に立ち、彼女らのツレだとアピールして威嚇しても、男達は余裕の表情。
隣の優也も、珍しくムッとしている。
ヘェ〜、お前が女1人の為にそんな顔するなんてな…
男達を追い払う事ができたが、彼女が俺を睨む目つきがおもしくない。
その後、彼女にむけた言葉も悪かった。
また、ナンパ待ちしてたのか?
そんなこと言うつもりはなかったのに、あまりに素っ気ない彼女態度に、つい…
…
そして、怒らせてしまった。
結局は俺の感違いでナンパじゃなかった事を彼女から聞き、フォローする間もなく帰ると言って店を出ていく後ろ姿にかける言葉も思いつかず、伸ばしかけた手を引っ込めるだけ…
マジかよ…
困惑する俺は、彼女のツレをみた。