優しい嘘はいらない
なかなか、寝つけなかった。
浮かれて寝つけないなんて小学生かよ…
そこへ優也からの電話で、夕方呑む事になった。
病院の事務局にいる優也、今日は出勤だったようだが朝から何だったんだろう?
そんな考えは一瞬で、約束の時間までもう少し寝る事にして、夕方近くなり優也のマンションに向かうと、車は交差点でつかまり、ふいに見た方向に彼女を見つけた。
ショートパンツ姿で生足全開…
俺の知る彼女の姿と違いオフモードの姿に、可愛いなぁと目が釘付けになっていて、そんな自分の感情を誤魔化した時、俺に気づいた彼女が慌ててスマホを落としそうになる。
あの時の表情…偶然とはいえ驚きを隠せないまま真っ赤になっていた。
気持ちが上昇したまま、優也に会いに行けばどこか機嫌の悪い。酒を飲みはじめ酔ってくると喋りだした。
「おれ、マジであんなことしたの始めてで戸惑って逃げたんだ」
なんのことだと聞いていれば、どうも例の女とヤってしまった。だが、女が電話の相手と話してる内容を聞いてしまい、期待させるような事は出来ないと逃げた…ということらしい。
愛しいと思った…だが、遊びでつきあえば傷つける。
わかっていながら手を出してしまった事を後悔している優也は荒れた。
俺は、この気持ちがなんなのかもはっきりわからないっていうのに…酔うこともできなかった。