優しい嘘はいらない
男達の本音
あの日から、俺と優也は週末になるとコンフォルトに足が向いた。
お互い、口に出して言わないが目的は1つ…
彼女らに会うためだ。
店の扉が開けば、無意識にそちらをみてしまう。
お互いの会話は、どうでもいい内容でほとんど上の空で聞き流している。
声をかけてくる女達を適当にあしらう優也は、登録してある女達のアドレスを削除しだした。
身辺整理をしたところで、1ヶ月近く通っても空振りで彼女らはあらわれない。
まさか、避けられてるのか?
優也がボソッとつぶやくのを聞き逃さなかった。
俺は、会いたければ住んでいる場所を知っているのだから、会いに行こうと思えば会える。
だが、偶然会える訳でもなく、小さなプライドが邪魔して会いに行く口実もなく会えない日々が続いていた。
募る想いが増すばかり…
そんなある日、駅近くの居酒屋で会社の同僚との飲み会に参加。
今日もコンフォルトに行きたかったが、付き合いも必要って事で適当な時間になったら抜けて優也と合流するつもりでいた。
そこへ、会いたかった彼女らが店に入ってきた時に、思わず頬が緩み嬉しさを隠しきれなかった。
それなのに、俺と視線も合わせないで待ち合わせしていた奴らに微笑む。