優しい嘘はいらない
彼女の言動に、アタフタしているなんて知られたくないのに、彼女は俺の予想外の行動をとるから困りものだ。
だから、惹かれるのかもしれない。
愛しくて…俺なりの愛情表現が彼女にはからかわれていると感違いさせてしまう。
どうやったら伝わるんだろう?
優也を真似ても上手くいかず、優也の助け船のセリフも彼女を怒らせるだけで、俺の気持ちは伝わらない。
突然、優也の腕の中の女からの言葉
彼女も俺と同じで気持ちを表現するのは下手だと言う。そして、思っている言葉と反対の言葉を言うと言う爆弾発言。
確かめるつもりで、俺のこと嫌いって言ってたが、本当は好きってことなんだなと言えば、動揺する彼女。
そうと分かれば、彼女の言動全てが俺を好きだと言ってるようでたまらない。
きらいも好きだと聞こえ
睨む目も好きだと見えてくる。
尖る唇もキスしてほしいと見えてくる…これは行き過ぎた幻想なのだが、ふっくらと厚みのある唇は魅力的すぎて、キスしたくなる。
だから、わざと尖る唇をつまみキスできないようにしているのに、払いのけ睨んでくる瞳は潤んでいる。
それは、俺を好きだと言ってる目だった。
ゾクっと奥底から湧く甘い疼きを止められそうにない。
必ず彼女を俺のものにすると誓った。