サヨナラも言わずに
私が、あんな人気者に復讐するつもりだなんて噂が流れたら、それこそ学校生活の終わりが告げられたようなもの。
私のいじめはますます酷くなって、私はまた自殺に逃げようとする。
もう、そんなことはしたくない。
だから、学校には……
「美琴、行かなくていいよ」
……は?
なに言ってんの、お母さん……
私がわがまま言ったんだから、ここで驚くのはおかしい話だけど……
まさか、行かなくていいなんて言われるとは思ってもみなかった。
「美琴が辛い思いをしてるなら、私も辛い。美琴が楽しいなら、私も楽しい。美琴の感情は私の感情でもあるの。だから、無理はしてほしくない」
お母さん……
「金銭的な面で我慢して共学校に通ってもらったけど……もう、美琴は十分頑張ったよ。だから、辛い思いしかしない学校には行かなくていい」
「あ、りが、と……」
お母さんの思いがあまりにも嬉しくて、つい涙が溢れた。
「いい雰囲気のとこ悪いんだけどさ。旭への復讐はどうなるのさ」
それは……
正直、弥生ちゃんの考えた作戦は、かなり面白かった。