サヨナラも言わずに

なーんか、嫌われてる?


ま、当然か。



大っ嫌いって言った以来、会ってなかったし。



でも、これだと復讐できないんだよなぁ……



「いいじゃん。あんた、美琴に会いたかっただろ?」


「…………」



そこで黙るな、言い返せ。


と、思うのは私だけ?



でも、もし弥生ちゃんが言ったことが正しいなら……


作戦はうまくいく。



「黒瀬、あとで話があるから」



ちょっと冷たく言いすぎたかな?



「……おう」



返事の前に妙な間があるし。



とにかく、今は目の前の寿司を食べないと。


あ、別に食い意地はってるわけじゃないからね。


家に帰ってもなにもないし、食べなかったら、弥生ちゃんに全部食べられるからね。



「「ごちそうさま!」」



私と弥生ちゃんは満腹になり、声を合わせて言った。
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