サヨナラも言わずに

「え、ああ、うん……」



ここは……


もう、勢いしかない、よね。



「あのね、黒瀬……あのときはつい大っ嫌いなんて言ったけど……ホントは……その……なんというか……」



あー、やっぱムリ！



「ん？」



立ち止まって振り返る黒瀬。



って、なんで立ち止まる!?


そのまま歩き続けててよ！


そのほうが言いやすいから！



「…………付き合って………………」



結局、顔は見れなかった。


だから。



耳元で囁いてみた。



「っ!?」



顔を真っ赤にさせた黒瀬。


あと、もうひと押しだ。



「…………ダメ、かな…………？」



うぅ……


自分からやってなんだけど、近いよ……


早く、離れたい……



「俺、で……よければ……」


「やった、ホントにいいの!?」



これで復讐がスムーズに決行できる！