サヨナラも言わずに
それなのに、あんなことして悪かったな、沢田。
倒れるくらい、辛かったんだろ?
それに気付けなかったとか……
俺、サイテーだよな。
そもそも、お前をいじめる側についた時点でサイテーだよな。
でも、どうしてもお前の後ろの席がよかったんだ。
俺、わがまますぎたな。
俺のせいで、悪かった……
あんなに悪化するとは思わなかったんだ。
助けねぇと、って思っても、お前がなにも言わねぇから……
って、なに言い訳してんだろ。
とにかく、早く謝りてぇから、目、覚ましてくれよ……
保健室に入ると、若い女の先生がいた。
前来たときはいなかったんだけどな。
「美琴ちゃん!?」
どうやら沢田と知り合いらしい。
先生は驚きながら、沢田の名前を口にした。
「すみません、こいつ、気ィ失って……」
「……………………寝かしてあげて」
なんだよ……今の間。
でも、先に沢田をベッドに寝かす。