サヨナラも言わずに
てか、ここってどこ?
これじゃ帰れないんだけど。
適当に歩いてたら家に着くかな。
もうだいぶ日が暮れてきたけど、誰も心配しないから、ゆっくり帰ろ。
「……やっと着いたよ……」
あれから、歩いて二時間くらいして家に着いた。
自分の部屋に入って、着替えもせずにベッドにダイブ。
それから眠りにつくまでは早かった。
相当疲れてたみたい。
そして、私が望まなくたって、次の日はやってくる。
昨日制服のまま寝ちゃったから、制服はしわくちゃ。
時間ギリギリまでシワを伸ばそうと、服を脱いでいく。
朝ごはん……はいっか。
食欲ないし。
ちゃんとシワが伸びるまで、また布団にもぐる。
「学校、行きたくないなぁ……」
「美琴ー!起きてるなら降りてきなさい!」
私の独り言に続くように、部屋の外から聞こえてきたのは、お母さんの声。
帰ってきてたんだ。