サヨナラも言わずに
それから私は服をボロボロにし、自分に傷をつけて、ほかの部屋も荒らしていった。
なんか、ホントに泥棒が来たみたいになった。
別にいいや、もう。
「ふぅ……」
ひと息つくために、またリビングに戻る。
……やりすぎたかな。
我に返って部屋を見ていくと、ぐちゃぐちゃ。
なんか、一刻も早く家から出たくなった。
でも、それじゃこんなことした意味なくなるし……
とりあえず、先になんか飲み物。
私が冷蔵庫に手をかけた、そのとき。
──ピンポーン
インターホンが鳴った。
……誰?
私は静かに玄関に向かう。
──ドンドンっ!
「っ!? 」
急にドアを叩く音がして、私は足を止めた。
「沢田!?いるか!?」