サヨナラも言わずに

そして翌日。


教室に行くと窓際の一番後ろの机がなかった。



……男子よりもひどいな、これ。



戸惑ってる私を見て、クラスの女子全員がクスクスと笑ってる。



……もしかしなくても、女子全員を敵に回した?


あー……私の小学校生活、終わった。


もともと終わってたようなもんだけど。



よし、今日はもう帰ろう。


このまま教室に居続けるのも嫌だし。



私は向きを変えて帰ろうとした。



でも、ユイさんが私の右肩を掴んだことによって、阻止されちゃった。



なんかすごい力入ってて、痛いんだけど……



「どこ行く気?」



家です。


って、ちゃんと言い返せない私は小心者なのかな……



「逃がすわけないでしょ?」



ユイさんの言葉に、取り巻きたちも首を縦に振る。


て、なんか人数増えてない……?



「今日は容赦しないって言ったよね?だからさ、逃げないでくれる?」



そんなセリフを聞いて逃げない人がいるわけないでしょ!
< 8 / 160 >

この作品をシェア

pagetop