爽やかさと、優しさと




午後は数学と日本史。

日本史はまだしも、午後に数学が重たすぎる。


「森山、日本史の課題やった?」

「いや?これから」

「やってないのかよ!」

「森山の写そうかなーって」


お前もかよ。
少し期待してたのに。

まぁなんとなく予想はしてたけど。


「昼休みやっからいいんだよ」

「俺は数学やるから、終わったら見せて」

「自分でやれ、栗山」

「あーもう絶対テストやべぇよなぁ」



夏休みの前に、期末試験が再来週に迫っていた。

これを乗り越えないと、夏休みはやってこない。


恐ろしくヒドい点数を取るか、提出物しっかりしてないとか、授業態度が悪くなきゃ、補講にはならないのだか、その補講が末恐ろしい。


夏休みが来ても最初の2週間ほどは全員ほぼ強制参加(一部の運動部は例外)の講習会がある。

補講になってしまうと、午前はその全員参加の講習会に出て、午後から補講を行わなくてはいけないのだ。


しかも講習の課題と補講の課題。さらには夏休みの課題。

勉強で夏休みを終わらせる気じゃんないだろうか?と疑いたくなる。

名ばかり進学校をうたって、有名大学や国立への進学率よくないくせに。




「そもそも、日本史の教科書って何言ってるんだかさっぱり分かんないじゃん?」

「太字の出来事埋めてけばいいだけだろ」

「はい、今日本全国の暗記苦手な人敵に回した!」


まわしたのはお前だけだろ。
まわしたところであんま意味もないけど。


そんなことを言ったらさらに怒られ、ついには授業が睡眠授業だの、先生の存在が薄いから覚えられないなど、日本史の先生の悪口にまで話は飛び火した。



「てか、今回はプリント穴埋めだろ?暗記関係ねぇじゃん」

「うるせぇ!」


完全な八つ当たりだ。



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