爽やかさと、優しさと


「そりゃそうかもしれないけど。春田くんくらいなら、もっと可愛い彼女ゲットできるでしょ」

「美咲可愛いじゃん。」

「えーないない。マナと優子の方が100倍可愛いよ!」

「出たよ、美咲のべた褒め」

「本当の本当だからね」

「はいはい美咲ありがとね。にしても、春田のこと本当になんもないの?」

「ない」

きっぱりですか。
あぁもったいない。

あんなにいいやついないぞ?


「くっついたら面白いのに」

「ちょっと!面白がらないでよ」


否定してるけど、春田のこと嫌そうじゃなさそうに聞こえるのは俺だけ?


栗山がじっとこちらを見てくる。


「なんだよ」

「ははーん。そうゆうことね」

「なんなんだよ」

「夏休みになったら森山とも毎日会えないなーと思って」

「何いきなり気持ち悪いこと言ってんだよ」

「いやー夏だな」

「お前のせいで凍えるくらい寒くなったわ!」


いつもはしつこいくらい続きそうなのに、しれっと次の問題を解いている。


まさか、こいつ、好きなやつでもいるのか?



「おいっ!栗林って好きなやついんの?」

「さぁね」

「さぁねって・・・」

「そんなことよりこの江戸の三大改革が中学で習ってるはずなのにいっこうに覚えられないんだけど」

「いろいろごっちゃになってんじゃない?一回自分でノートにまとめてみたら」

「はーもうプリント終わったから、いいや」


こいつ、人の話を聞いてねえ。

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