こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
当然だ。
ここは購買近くの廊下。
そこで大人気のアイドル相手に怒ってれば、目立たないわけがない。
「私はあなた達とは、関わりたくないの。からかうなら、他をあたって。」
夏葉の手を、振り払う。
そしてそこから去ろうとしたんだけど。
「無理だよ、伊紅」
青葉麗が、口を開く。
「俺たちは、伊紅と幼なじみだった。……伊紅は忘れてるみたいだけど」
「…………!!」
その瞬間、周りにいた野次馬の生徒たちが、ざわめく。
やめて。
知らないの。
………わからないの。