こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「そうだったの……。園香ちゃんが放課後は真っ先に帰るのも、バイトよね?」
「……うん。お母さんばっかりに、無理はさせたくないもん。」
「だから私、顔がいい人は平気で浮気だってなんだって出来るから、嫌いなんだ。
麗は、私のお母さんから幸せを奪った。
顔でお金稼いでるし。きらい。」
そうだったんだ。
やっぱり、理由があったんだ……。
「でも!」
園香が立ち上がる。
「私もひどい事たくさん言った。みんなに迷惑かけたし、もう言わない!
ごめん!ふたりともっ!」
園香も、きっと本当は苦しかった。
「気にしないで。園香は、もう気負っちゃだめだからね。」
「そうよ。私たちに話してね、園香ちゃん」
「うん。ふたりとも、友だちになってくれて、ありがとう。」
その日の園香の笑顔は、
涙で鼻が真っ赤だったけど、
今までで1番の笑顔だった。