こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!

そこで伊澄の声に我に返る。

「伊紅、分かったよ」

「お、?」


「『またこの季節かぁ。春なんて嫌いだなぁ』的な?」


こくり、と首を傾げる伊澄。


「……伊澄の前世はエスパーだよ、きっと」


ほぼ正確に当ててくる伊澄。

この双子は私の事なら何でも知っている。



「双子だもん」

「私は伊澄のこと、全然読めないんだけど」


「えー?」


楽しそうに言う伊澄。
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