こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
私のクラスの出し物は、
『射的屋さん』
みんなで使っていない雑貨を持ち寄って商品にしている。
「櫻木さん、これ、あそこにセットして」
「わかった」
クラスメートに頼まれて、銃につかうコルクをセットしておく。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「お客さん、意外と多いでしょう」
「うん。びっくりした。前の学校は確か、こんなに客ばっかじゃなかったもん」
最近やっと。
クラスメートが私から距離を取らなくなった。
私が打ち解けられてきたのか、
前みたいに、異端者を見るような目は、向けられなくなった。
それは正直、私にとっては嬉しいことだった。