こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
一瞬だった。
「なに?これ………」
塁は、私の服をめくり上げていた。
そこには、青黒いアザがいくつもある。
「ちょっ………と!離して!」
バッ!と、塁の手を振り払う。
「また、何かされてるのか……?」
「……別に。」
「……………どいつだ」
ゾク………
一瞬にして、塁の纏う空気が変わる。
「…………人気者がいるの。新しい高校は。」
「……また、関わったのか」
「………幼なじみだったの。………………私は、覚えてなかったけど」
「覚えてないっておまえ…、それは相手が」
「『あの』記憶だよ、たぶん」
「………!」
はっ、としたように固まる塁。