こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


「…………そうでした」

「………じゃあ…。本当に、すみませんでした」


と言うと。


「伊紅、ちゃん!」

「?」


「また、話しかけていい?」


その時は。
ただ単に、かわいいと思ったから。


「もちろん」


そう答えた。



あの時、答えなければ。

全部、違ったはずなのに。


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