こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「俺も、一緒に喧嘩したい」
「はあ?!」
何。
…………バカじゃないの?!
この男、登坂累は、頭が良いことで有名。
私と伊澄が、どれだけがんばっても、
この男には勝てたことがない。
全国でも模試では好成績を納めているとか。
「……頭のいい人の考えること、分かんないんだけど」
「………なんか、むかつくんだ」
「この世は、弱者は強者の影に入り、あぶれた弱者を突付く。
………それも平気な顔で。
俺は、この世界を、壊してやりたい。
君みたいな弱者だったものが、この世に仕返しをしているのを、一緒にやりたい。」
抽象的な言い方だし、
別に仕返しとか、考えてやってるわけじゃない。
「……私は、スッキリしたいから、私と同じようなものを探しているだけ」
「……うん。俺も、父さんと言う強者と、
それに従う弱者たちに、仕返しをしたい。」
(……最初からそう言えよ。)
なんでそう言ったのかは分からない。
寂しかったのかもしれない。
「………勝手にすれば」
その日から、私には仲間ができた。