こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
累は想像以上に強かった。
二人で毎日暴れるうちに、私は累と、前より有名になった。
「……おい。お前らが、櫻木伊紅と、登坂累か?」
「……そうだけど」
私は、喧嘩相手に困らなくなった。
そうして2ヶ月経った、6月。
累とはいつも、夜の繁華街で自然に会う。
だから別に、いつも待ち合わせはしない。
「……てんじゃねーよ!」
「行かないって言ってるだろっ!」
チンピラみたいな集団が、女の子を囲んで連れて行こうとしていた。
……見つけた。
また、相手を発見したと思って近づいたところ。
「このくそが!」
ドカッ!
綺麗な回し蹴りが、その男に決まり、男が吹っ飛んだ。