こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「……ださ」
「大丈夫?」
振り返って、女の子に聞く。
「…………どうも」
そう言って、女の子は走って逃げていった。
まあ、そうだよね。
なんて思って、その日も累と合流して、
ケンカに明け暮れた。
また、次の日。
「モモ、こっちこっち」
街を歩いていると。
目立つ女子の集団。
「!」
その集団の真ん中には、昨日の女の子。
「……ほんとに?」
なんて、昨日の回し蹴りが嘘のように、
控えめに笑っている。
でも、本当に笑っているようには見えない。
ちょっと、付いてってみよう。
もしかしたら。
あの子もイジメられているのかもしれない、なんて。
ありもしない想像をしてしまう。