こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!




そのあと。

私は家に戻って家族に今までのことを謝って、本当のことを全部話した。


その一週間後。

私達一家は初めて、
お父さんの転勤でなく、

2つ隣の町へ、『やり直し』ということで引っ越した。



それから高2になって、
お父さんの転勤で、今の家に引っ越してきたのだった。



私が家に戻ってから気づいたのは、
昔の記憶がないこと。


「あれ?伊紅。」

「なに?伊澄。」


「ーーとーの話、前はあんなにしてテレビも見てたのに、どうしたの?

やっと二人から心が離れられた?」


にやにやと聞いてくる、伊澄。




「?だれ?それ………」

「えっ……?ほら、僕たち昔、△△小学校行ってたでしょ?」


「?……私たちが通ったのは、〇〇小で、
そのあとに□□小でしょ?」

「え?小2まで、通ってたでしょう?
△△小学校……」


「…………頭っ、……………いたい。
……………………思い、出せない……」


私は、松下さんに突き飛ばされて頭を打った時、衝撃で記憶をなくしてしまったんだと思う。


でも今となっては、そんなに困らないし、あんまり気にならない。



私の周りの人が傷ついていなければ、
私はそれでいい。










< 225 / 394 >

この作品をシェア

pagetop