こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
Love 9
時は戻って現在。
「累………」
「なに?」
隣りに座る累に聞く。
「桃と冬弥は、学校行けてる?」
「……行けてる。あのあと、俺、普通の進学校に転校したんだ。」
「えっ。すごいね、累」
「……まあ、それで、桃と冬弥も頑張って勉強して受かったんだ。」
なんだ、普通に過ごせてるじゃないか。
「でも」
「あの二人、高校に入ってからも、夜な夜なケンカに行ってる。
……俺も。
やっぱり、変われないんだよ。
暴力的な衝動だけは。」
「……………」
やっぱり、そういうものなんだろうか。
ふとした拍子に、私はまた、やってしまうのだろうか。
「累っ、あの「何してんの?」
誰もいないはずの夜の公園に、知ったはずの声がする。
「おまえ、誰だよ」
「…………夏葉」