こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 明石夏葉
おかしい。
さっき、神宮寺と如月が入ってきたのに、伊紅が、いない。
「夏葉さん、麗さん!スタンバイお願いしまーす!」
もう、始まってしまう。
「夏葉!伊紅が…」
「…………いない」
なぜ?
あいつに来いって言ったのに。
来るって言ってただろ………
「………夏葉。仕方ないよ。もう、始まっちゃうんだもん。」
悲しそうな顔で、麗も言う。
「………ああ、わかってる。」
そこで、曲が流れ始める。
「行くぞ、麗……!」
「ああ……!」
どこにいるんだ、伊紅………?!
『今日は、来てくれてサンキューな!』
ワァァァァーーーーーー!