こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


公園に入ると、やっぱり伊紅がいた。

……………知らない男と。




誰だよ、そいつ。



俺達のコンサートより、そんな男のがいいんかよ。


いいようのない、どす黒い感情が生まれる。




「おまえ、誰だよ」



「………夏葉」




伊紅が俺の好きな声で、俺の名前を呼ぶ。


「……………伊紅の友人ですけど」


そいつはそう言いながら、俺を睨む。
その目には、ものすごい気迫があった。
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