こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!




「夏葉っ………?」



ちがうだろ。

昔はそんな呼び方、しなかっただろ。


なんでこいつは、こんなに思ってるのに、
気付かない?

思い出さない?




むかつく。


知らない。
こいつがなんて思ってたって。



「夏葉…………」



お願いだ。

もう一度でいいから、
俺を見て前みたいに笑え。


お前は、俺のだ。




俺は、伊紅の肩を塀に押し付けて、




「なつ………っ」




伊紅の口を、塞いだ。


< 232 / 394 >

この作品をシェア

pagetop