こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「私に?」
「せっかくいい顔してるのに、そんな顔するな!ってね(笑)かっこいいでしょ。
俺のヒーローだったんだ、伊紅は。
でも、伊紅にとっては俺たちはヒーローみたいなんだって。
それ聞いた時、ほんとに嬉しかったんだ」
昔を思い出しながら、息を吸う。
「伊紅」
俺は、もう我慢なんてしたくない。
アイドルとしての人気も、何でも夏葉にあげるから。
伊紅だけは。
伊紅だけは、俺に頂戴?
「好き」
そう言って、壁に背をつけて座ってこっちを見上げる伊紅に。
キスを、ひとつ。