こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 明石夏葉
ざわざわと、文化祭のものではない、
嫌な感じのざわめきが聞こえる。
「………なんだ?」
麗と顔を見合わせて、不思議に思う。
俺達は今、変装してるから、
誰にも気づかれないので、騒ぎもない。
すると。
「4階で乱闘騒ぎだって!」
近くで、女子が騒いでいた。
乱闘?
不良同士か?
すごいやつがいるな。
そんな風に、思っていた。
「それが、転入生の櫻木さんなんだって!」
俺と麗は、ほぼ同時に、4階まで走った。