こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!

「………おい。みんなが集まってると思ってお茶を持ってきてやったんだけど……いらないんだな。………………ふーん………。」

「わっ、累」


「…………ジジくさいのか」

はあ、と溜息をついて。

うすーく開いたドアからじーっと私たちを見て引き返そうとする累。


「やっ!冗談冗談!ねっ、桃!」

「累にいさん、かっこよくなった!
ねっ!冬弥!」

「僕、累のおやつもらいたーい!」


「………仕方がない、出してやろう」



アハハ、なんて。

私たちは、また、元に戻れたんだ。




なんて。

『元に戻った』ということは、
『そういうこと』も『元に戻った』。


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