こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 明石夏葉
気付いたら、
伊紅が去ってから結構経ったみたいで、
夕日が沈みかけていた。
学校へ引き返そうとする。
……………後ろを振り返ると。
「伊澄」
あいつの双子の弟、伊澄が立っていた。
「いず「行っちゃったじゃんか!」
珍しく、伊澄が大声を出す。
「やっぱり……お前らなんかに、関わらせなくちゃよかった。……………無理矢理にでも」
「…………」
キッ!と、伊澄が俺を睨む。
「知ってた?お前のファンだったんだよ、伊紅をいじめてた奴ら!」
「…………さっき、知った」